CES 2008 レポート (1日目 Opening Keynote)
前回の続きです。
Consumer Electronics Association (CEA)
最初のKeynoteはConsumer Electronics Association (CEA)のPresident、Gary Shapiroでした。このイベントの代表の挨拶ということで形式的なものかな、と思っていたのですが、その予想は完全に覆されました。
まずハイテク産業と製品の輸出がアメリカ経済を引っ張る大きなSectorであることに言及し、特にそれを実現するための自由貿易が非常に重要であることを強調しました。歴史的な話から彼自身の個人的な話を交えながら、開かれていることと自由貿易の重要性を強い調子で話しを進めていきました。現在アメリカでも見られる保護貿易的な考えからには具体的なアクションを通して反対しよう、みんなで反対しましょうという流れになり、最後は自由貿易とInnovationはNational soulなのだ、と結んでいきました。
当たり障りのない形式的な話を想像していた自分としては、ちょっと衝撃を受けました。内容については賛否両論あると思いますが、自分達の産業と経済の成長と国としての理念(!)まで及ぶ話に、また非常に力強いKeynoteということで引き込まれるものがありました。
ちなみにCESの会場のあちらこちらで以下の標語が見られました。OfficialのTシャツにもプリントされています。このイベントの趣旨が非常に簡潔に表されていると思いました。
Cool Tech + Free Trade = Strong Economy
Panasonic
引き続きPanasonicのKeynoteが始まりました。こちらは150インチのプラズマなどが発表され既に話題になっていますが、個人的にはそれらの個々の新製品や発表よりも、Keynoteを通して伝わってきた会社としての姿勢が非常に印象的でした。目玉の製品としては勿論プラズマパネルや、YouTubeやPicasaの写真も再生・表示するVieracast、WiFiを搭載しPicasaに写真をuploadするLumixがあり、デモを通じて見ることが出来たそれらの製品確かに興味深いものでした。
Keynoteの最初には、まず様々な人々や家族が焚き火や暖炉の周りに集まっているムービーから始まりました。その後にPanasonic AVC Networks CompanyのPresidentの坂本さんが壇上に上がり「Digital Hearth」というKeywordを紹介しました。Hearthという単語は初めて聞いたのですが、暖炉という意味だということは後で知り、その時には分かりませんでした。それでも上で挙げた製品のデモや、またデモの中で展開されるストーリーを通じて、Panasonicとしては家族や人々を繋げていく製品を作るのだ、というVisionは伝わってきました。
これらのVisionは更に「Living in High Definition」「Whole Life Coonectivity」というKeywordで、もう少し具体的に説明され、例えば前述の新しいプラズマは前者のKeywordの一環として、Picasaと連携するLumixは後者として、位置付けされているようでした。つまり、それぞれの製品の特徴や機能の紹介も行われたのですが、それよりはその製品を通して実現される・しようとしているVisionが前面に出ているKeynoteとなっていました。
自分としては、この製品の機能よりもVisionを前面に出す日本企業ということに驚きを感じました。勿論、会社の規模を考えると簡単に日本企業と言っていいのか分かりませんが、それまでの日本のハイテク業界にあったイメージ、昔は品質が良くより値段の安い製品を提供すること、経済が成長してからはより性能の高い製品を提供することと来た(おそらく)Visionが、ここからは製品の利用を通して実現しようとしている価値観をVisionにする段階に来ているのだ、ということを感じさせました。
今回International CESに行く前に、このイベントは個々のブースを見るよりもKeynoteを見た方が面白いよ、と伝えてくれた人がいたのですが、前日のBill Gatesといい、この日のPanasonicといい、まさにそれを実感させるKeynoteでした。